シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント

 ナヴァル・ラヴィカントはシリコンバレーと世界中のスタートアップ文化を象徴する存在である。
 ナヴァルがコンセンサスに迎合することはまずない。数々の成功は、彼が人と違うことをするために意識的に下してきた選択が生み出したものだ。
 ナヴァルは、ひとり親家庭で育ち、貧しい移民生活から、世界有数の実業家、エンジェリストの共同創業者CEOになった。

富を生む「行動」と「思考」の特徴

 「努力量」は勝負を決めない。努力は、正しい方向に向けなくてはならない。
 富とは、君が寝ている間も稼いでくれる資産だ。
 富をさげすむ人から富は逃げていく。
 時間を切り売りしていてはリッチになれない。
 人生の見返りはすべて複利で増える。
 売る方法を学べ。つくる方法を学べ。両方できれば無敵だ。
 「特殊知識」「説明責任」「レバリッジ」を武器にせよ。
 資本とは、カネだ。労働力とは、君のために働く人だ。
 コードとメディアは、非許可型のレバレッジ。これが、新興の富裕層を支えている。
 うまい儲け話などない。君をカモにしようとしているだけだ。

特殊知識

 今得意で夢中になれるものが君の「特殊知識」だ。
 君が子供の頃や10代の頃に苦もなくやっていたことを考えてみよう。営業スキル、音楽の才能、凝り性、SF好き、ゲーム、逸話や詮索好きなど
 君がそれに100%のめり込んでいなければ、100%のめり込んでいる誰かに大差で負ける。君が君らしさの延長上にある何かを作ってそれを売れば、誰も君に太刀打ちできない。

複利で考える

 努力のうち「1%」が実を結ぶ。
 努力の99%は無駄になる。しかし、完全に無駄になってしまうことなんて1つもない。
 リッチになるには、レバレッジが絶対に欠かせない。
 君だけしか知らない知識は、君の情熱や趣味から生まれる。
 ただ楽しいから何かをするときこそ、最高の仕事ができる。
 いつも小さなことの積み重ねだった。当たり年の1年で財産を築いたわけではない。

説明責任

 君はできる限り君の名前で信用を築かなくてはならない。
 自分のもとに失敗するリスクを張れる人が、莫大な力を得る。

事業を所有する

 事業の一部を所有しない限り、経済的自由への道はない。
 エクイティ(株分、株式資本)を所有。=アップサイド(潜在的な成長余地)を手にする。
 所有権が本当に大事。
 君が好奇心の赴くままたどり着いた場所が、社会が向かおうとしている場所と一致したそのとき、君は莫大な見返りを手にできるはずだ。

レバレッジ

 1 ) 労働
 君のために働く人。労働は利用可能な全形態のレバレッジの中で最悪のものだ。人を動かすことはとんでもなく難しい。
 2 ) カネ
 20世紀にはこの形態のレバリッジが主流。動かす人を増やすより、動かすカネを増やす方がずっと簡単にできる。
 3 ) 限界費用ゼロで複製できるプロダクト
 本、メディア、映画、プログラミングコード(コードは非許可型のレバリッジの中で最強。)

 仕事に費やす時間や労力より遥かに重要なのが「判断」だ。

破滅のリスク

 破滅を避ける。=刑務所送りになるな。=違法なことをやるな。
 壊滅的、全面的な損失を避ける。
 健康に気をつける。肉体的に危険なことは避ける。
 人に誇れないことをするときは、よくよく考えたほうがいい。いつか自分の身を滅ぼすことになるからだ。

若い時に下す大きな決定

 「どこにすむか。」「誰と恋愛するか。」「どんな仕事をするか。」

成功した人たちと付き合う方法

 自分の得意なことを見つけて、それを生かして、人助けを始めよう。無償で奉仕しよう。恩送りをしよう。

何よりも「自由」を大切に

 本当に好きなことが見つかったら、君らしさを存分に発揮してそれに取り組もう。そして次に、どうしたらそれを社会が求めるものに近づけられるかを考える。
 私は、いつも遊び感覚で、仕事している。だから、私は、1日16時間遊んでいる。私と競争したい人は、1日16時間7日も働いていられないから、私に勝てっこない。

運に恵まれる方法

 心を構え、人が気づかないチャンスに敏感になる。
 君のやっていることで世界一になる。世界一になるまで、君のやっていることを微調整し続ける。すると、チャンスの方から君を探しにきてくれる。幸運が君の運命になる。
 ある方法で個性を築き上げれば、その個性が運命になる。個性と評判は、君が自力で築けるものだ。

人脈作り

 仕事の人脈づくりは完全な時間の無駄。君がおもしろいものをつくれば、君と知り合いたい人はどんどん増える。

辛抱が必要

 君が人生に意味を見出すためには、どのみち困難なことをしなくてはならない。
 お金を稼ぐことも、立派な選択肢の1つだ。お金があれば外的な問題の多くが解決する。まずは、リッチになって、次は幸福になる方法を学ぶ必要がある。
 君が一生懸命働いて、社会にすばらしい貢献をし、社会が求めているが手にいれる方法が知られていないものを提供すれば、社会はその見返りに君にお金をくれる。

判断がモノを言う。飯が食えるくらい磨け

 もし人生で絶対確実にリッチになりたいなら、最先端のトレンドを先取りして、テクノロジー、デザイン、アートを学び、そして君が本当に得意なことを見つけよう。
 「努力」は過大評価されている。「判断」は、過小評価されている。このレバレッジの時代、1つの正しい決定が全てを勝ち取る。どれだけ速く動くかより、どこへ向かうかの方が重要。
 明晰な思考家は他人の権威に頼らず、自分自身を頼りにする。現実を見る目を一番曇らせるのは、物事は「こうあるべきだ」という先入観だ。

自分で選んだ「習慣」で固める

 習慣は、生きていくためには絶対に必要だ。偶然から生まれた習慣よりも、意図的に選んだ習慣を取り入れる。自分のアイデンティティや仲間にとって受け入れられない思想ほど、現実をよく表していることが多い。
 デザイン変更は必要。動的なシステムに恒久的な解決策はない。
 人をだましてはいけない。そして、一番だましやすい人間は自分だ。

プリンシパル・エージェント問題

 当事者だけが真剣に取り組む 〜ミクロ経済学の最重要問題〜
 「仕事をきちんとやり遂げたいなら、自分で出向いてやれ。」ということ。
  プリンシパル(依頼人):所有者 事業のことを本気で気にかけている。
  エージェント(代理人):代理人 自分にとって最適な行動を取る。

ブラックスワン

 滅多に起こり得ない極端な事象のこと。ナシム・タレブの理論が参考になる。

迷ったら答えはノー

 長く影響をおよぼす決定には、よほどの確信がない限り「イエス」と言わないことが大切。

まず、「上り坂」から走る

 難しい決定をめぐって意見が真っ二つに割れたら、短期的な苦痛が大きい方の道を選べ。人生の利益のほとんどは、長期的な見返りのために短期的な苦しみに耐えてこそ得られるからだ。

好きになるまで読書する

 何もかも読みたいわけじゃない。100冊の良書をただ何度も何度も読み返したい。
 読書は競争ではない。良い本ほどゆっくり吸収せよ。学んだことを誰かに説明する。教えると必然的に学ぶ。読書は筋トレに似ている。鍛えるのは頭の筋肉だ。本には先人たちの知恵が詰まっている。

幸福

 幸福は、健康や栄養管理のような、身につけることができる、ごく個人的なスキルだ。
 今この瞬間とありのままの現実、あるがままを受け入れることだ。
 変えられるのは自分で、世界はおおむね変わらない。
 幸福・愛情・情熱・・・これらは見つけるものではない。ーー選び取るものだ。ーー
 幸福な人とは、心の平安を失わずに、物事を自然体で受け止められる人だ。
 「あれを手に入れたら幸せになる」と言う思い込みは、何度も何度も繰り返す過ちだ。

平安

 一度手に入れたからといってずっと持ち続けられるとは限らない。物事は常に流動している。
 外的な問題を全て解決すれば平安を得られると人は考える。でも外的な問題は無限にある。
 「べき」という社会的刷り込みをとっぱらう。人生をつらくしているのは私たち自身だ。

小さな厄介事への対処のコツ

 「この状況のポジティブな面は何だろう?」と考える。これは訓練で身につけられる。

死を受け入れる 〜全てに通じる大きなコツ〜

 君がこの世にいられるのは、ほんの一瞬でしかない。だから、1分1秒を思い切り楽しもう。
 常に死を意識して、死を否定しないことが本当に大切だ。
 君はいつか死に、全てが意味を失う。だから楽しもう。君にしかできないことをしよう。
 すぐ動く。待っていても若くなれない。待っていても「いつか」は来ない。
 君らしさで君に勝る人は、世界に一人もいない。
 目指すべき目的は、君を一番必要としてくれる人、事業、芸術を見つけることだ。

著者

エリック・ジョーゲンソン(Eric Jorgenson)
プロダクト・ストラテジスト、作家。2011年に住宅所有者と信頼できるサービス提供業者を結びつける会社、ザーリー(Zaarly)の創業チームに参画する。ビジネスブログ「Evergreen」を運営し、100万人を超える読者に、ためになる情報や楽しい情報を提供している。

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