Chatter(チャッター)

内省

自分の思想、言動などを深くかえりみること。自己意識についての反省的思考。

内省の研究
 人々が自分自身と交わす無言の会話:私たちの生き方に強い影響を及ぼす。
 近年の研究では、苦痛を感じている時に内省を実行しても無意味なことが明らかになっ

チャッター

頭の中のしゃべり声・自分自身と交わす会話・循環するネガティブな思考と感情

内なるコーチに助けを求めようとして、内なる批判者に出くわす。

言語:一定の役割を演じる。他人とも自分ともコミュニケーションをとる手段。

 自分の中にある情け容赦ない「内なる批判者」は、動作を構成する各要素に過度に注意を向けるが、それらの要素は総体となって初めて機能する。結果として、「実行機能」麻痺が生じる。
 チャッターは、こうして私たちの注意力を分割し、鈍らせる。

 人には、激しい感情については多くを語り、他人と経験を共有しようとする一貫性がある。

チャッターはさまざまな精神疾患の根底にある。

「大学銃乱射事件」「9.11同時多発テロ」の被災者等からの調査結果

 ほとんどの人が、SNS等を使い、他人と語り合った結果、一時的に精神的に楽になった。
 しかし、うつや心的外傷後ストレス症状軽減の役には立たなかった。
 → 他人と感情を共有してもチャッターは減らないばかりか、さらに悪化させる。

「認知的な欲求」よりも「感情的な欲求」を満たすことを優先させる強いバイアスが働く
 

共同反芻
 共に、繰り返し考え、よく味わうこと。
 燃え上がっている内なる声の炎に新しい薪を投げ込むのと同じこと

最も効果的な対話

支えを求めている人の「感情的欲求」と「認知的欲求」を統合するもの。

チャッターに埋没していない存在なら対極的なアドバイスを与えられる。

しかし、綱渡りをするような、一定の技術が必要となる。

FBIの行動変容段階モデル
 アクティブ・リスニング → 共感 → 相互信頼 → 影響 → 行動変容

大切なことは、距離を置いた視点から「関わること」

  • 他人を観察するように自分を観察する。異なる視点から見る。
    → チャッターという局地的な火事を、長時間燃え続ける大火災になる前に鎮火できる。
  • 自分の名前を口にして、俯瞰的に自分に語りかける。「私が・・」と考えない。
  • 時間的な距離の確保:例)このために将来どうなるかを考える。日記を書く。
  • 「経験の一般化」:自分のした経験は自分だけではなく、誰もが経験すると考える。
  • 間接的支援=目に見えない支援
    例)頼まれていないのに家事を片付ける。相手が仕事をできる静かなスペースを作る。
  • 身体的接触の力: 例)そっと肩に手を添える。ハグ。
  • 環境の持つ力を利用:緑地、自然の中の散歩、畏怖の念を抱く大自然
  • 習慣・儀式・プラセボ効果:チャッターを減らす効果あり(脳の予想する力を活かす)

 上記のようなツールを持っておくことが重要=自分に合ったツールボックスを作る。

著者

イーサン・クロス
意識する心のコントロールに関する世界的な第一人者。ミシガン大学の心理学部と同大学ロス・スクール・オブ・ビジネスの受賞歴のある教授であり、感情と自制研究所の所長。ホワイトハウスの政策議論にも参加し、『CBSイブニングニュース』や『グッド・モーニング・アメリカ』、NPR『モーニング・エディション』などの番組で、研究に関するインタビューを受けている。その先駆的な研究は『ニューヨーク・タイムズ』『ニューヨーカー』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『USAトゥデイ』『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』などで取り上げられている。ペンシルヴェニア大学で修士号を、コロンビア大学で博士号を取得。本書が初の著書。

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