序章
エフェクチュエーションとは
「不確実性の高い状況における意思決定の一般理論」
サラス・サラスパシー教授(バージニア大学ダーデンスクール)は、新しい市場や産業の創造という、極めて不確実性の高い問題に繰り返し対処してきた熟達した起業家を対象に意思決定実験を行い、彼らが共通して活用する思考様式を見出した。
エフェクチュエーションの大きな特徴は、従来の経営学が重視してきた「予測」ではなく、「コントロール」によって、不確実性に対処する思考様式であること。既存の顧客ニーズを前提にできない製品・サービスの事業化、最適なアプローチを定義することが困難な課題解決など、高い不確実性を伴うがゆえに、予測に基づく意思決定では合理的と見なされないような取り組みの推進にも、適用することができる。
エフェクチュエーションの対象となる方々
1 ) スタートアップや既存企業で、新規事業開発や市場創造、イノベーション創出など、極めて高い不確実性を伴う問題に取り組んでいる方々。
2 ) 自分にはできないと感じて、なかなか行動に踏み出せずにいる方々。
3 ) エフェクチュエーションの学習・教育に何らかの関心を持つ方々。
エフェクチュエーションを学習するポイント
1 ) 実践を伴うことで初めて深く理解できる思考様式。
2 ) 身近にエフェクチュエーションの実践者(エフェクチュエーター)の先達を見つけること。
第1章 エフェクチュエーションとは何か
エフェクチュエーションとは
熟達した起業家に対する意思決定実験から発見された、高い不確実性に対して予測ではなくコントロールによって対処する思考様式。
起業家的方法の発見
1 ) 新たな事業や、市場を作り出す起業家による偉大な成果というのは、彼らの特性や資質によるものではないことを明らかにした。
2 ) 不確実性への対処において、私たちの慣れ親しんだ予測合理性とは異なる、代替的なアプローチの有効性を提示するものであった。
コーゼーション(causation)
これまでの経営学は、目的(例えば、新事業の成功)に対する正しい要因(成功するための最適な計画)を追求してきた。
不確実性への対処に共通する基本的方針として、「追加的な情報を収集・分析することによって、不確実性を削減させる」ことが目指されてきた。
意思決定実験の結果
必ずしも予測可能性を重視するコーゼーションを用いておらず、対照的に、コントロール可能性を重視する代替的な意思決定のパターンがみられることを示すものだった。
これまでの経営学が重視したコーゼーションのプロセス
スタート時点で、具体的な目的、市場機会(ビジネスチャンス)が特定される必要がある。次に体系的なマーケティング・リサーチを実施し、できるだけ正しい戦略計画を策定。その実行のため、必要な資源の調達・配分をし、計画通りに実行することで目標が達成される。
エフェクチュエーションの5つの原則
1 ) 手中の鳥(bird-in-hand)の原則
2 ) 許容可能な損失(affordable loss)の原則
3 ) クレージーキルト(crazy-quilt)の原則
4 ) レモネード(lemonade)の原則
5 ) 飛行機のパイロット(pilot-in-the-plane)の原則
発見される事業機会
イノベーション
〜 ヘンリー・フォードの言葉(自動車の開発者) 〜
「もし人々に何が欲しいか尋ねたら、彼らはより速い馬と答えただろう。」
〜 スティーブ・ジョブズの言葉 〜
「多くの場合、人々はそれを見せるまで、自分が何を望んでいるのかわからない。」
革新的製品に対して顧客のニーズがあらかじめ存在したわけではないことを示唆する言葉。
イノベーションの機会
あなた自身の個人的な満足や不満足、すでに確立された技術、経験に基づく知識やたまたま耳にした情報、過去に却下されたアイデアからも、しばしば生み出される。そして、アイデア自体よりも、それを形にして他の人々からのコミットメントを得る行動が、より重要。
エフェクチュエーションとコーゼーション
エフェクチュエーションを強調することは、コーゼーションの重要性を否定するものではない。
料理の例
コーゼーション:食べる人の好みを考えてメニューを決め、必要な材料を調達し、料理をする。
エフェクチュエーション:冷蔵庫の材料を使って、自分の得意料理を作る。
第2章 手中の鳥の原則
あなたが手にしている1羽の鳥は、姿の見えない多くの鳥より価値がある
手持ちの手段(資源)を活用し、「手段主導」で何ができるかを発想し着手する思考様式は「手中の鳥(bird-in-hand)の原則」と呼ばれる。
不確実な資源を追い求めるのではなく、自分がすでに手にしている手段を活用して、すぐに具体的な行動を生み出すことを意味する。
3種類の手持ちの手段+α
1)「私は誰か(Who I am)」
特性や興味、能力や性格など、その起業家のアイデンティティの構成要素を指す。
2 )「私は何を知っているか(What I know)」
起業家が活用できる知識を指す。直接関係する専門的な知識やスキル、趣味や過去に受けた教育から得た知識、人生経験を通じて獲得した経験則や信念など。
3 )「私は誰を知っているか(Whom I know)」
社会的ネットワークを意味する。特に、偶然に知り合った人々や、必ずしも関係性は強くなくともアプローチ自体は可能な人たち。
頻繁に接触する相手(強い紐帯)よりも、たまにしか会うことのない知人(弱い紐帯)の方が、仕事上の重要な情報の提供者として役立つ。つながりの弱い人々は異なる社会ネットワークに属しているため、自分にとって新しい情報をもたらしてくれる可能性が高い。
4 ) 加えて、「余剰資源(Slack)」
必ずしも必要とされていない資源。ムダや非効率とみなされることもある資源。例えば、遊休設備や過剰人員、活用されていない技術など。
⇨ 最大のメリット:今すぐに行動を起こせること
手持ちの手段(資源)をアイデアに変換する
手持ちの手段(資源)からアイデアを発想するとき、そのアイデアが優れたものであるかどうかを、その時点で確信できている必要は必ずしもない。
「ボンカレー」が、もともと大塚グループの持っていた点滴液を高温処理で殺菌する技術の応用として開発されたように、イノベーションは新しいものを無から生み出すことではなく、既存の物や力の「新結合」によって実現される。
あなた自身がそれに取り組むことに意味をを見出せるのか、行動をすること自体にワクワクすることができるのか、という基準が重要。
第3章 許容可能な損失の原則
熟達した起業家は「命懸けのジャンプ」はしない
熟達した起業家は、事前に予測された期待利益ではなく、不成功時に生じる損失可能性に基づいて、行動へのコミットメントを行う傾向がある。
ハイリスク・ハイリターンに賭ける一般的な起業家のイメージとは異なり、熟達した起業家は、不利な面を十分に認識したうえで、避けられるならば絶対にリスクは取らないと考える。
「失うことを許容できる範囲(afford to lose)」においてのみ資金を使おうとする傾向や、出費をできるだけ抑えようとする傾向が見られる。
「許容可能な損失(affordable loss)の原則」の範囲で行動する利点
1 ) 新しいことを始める心理的ハードルが低くなる。
2 ) 成功するかどうかの予測に無駄な労力を費やす必要がない。
3 ) 再度別の方法でチャレンジすることが可能になる。
失敗が問題となるのは、許容不可能な損失を発生させた結果、起業家がそれ以上取り組みを継続できなくなり、諦めざるを得なくなるため。
許容可能な損失の基準で行動する限りにおいては、過去の失敗経験はむしろ後の成功確率を上げてくれる学習機会とみなせる。
本当に必要な資源はどれくらいか
[ 許容可能な損失の範囲内で行動するための発想 ]
最初に投入する資源をできるだけ小さくできないか、と考える。
例えば、設備所有のかわりに、リースで利用する。
何を失ったら危険なのか
失うことを許容できない資源をなるべく危険に晒さないように着手する。
強い自信やモチベーションを抱いており、不退転の覚悟で取り組んでいるなら、許容可能な損失も大きくなる。
そうした状況では、うまくいかない場合の損失可能性よりも、行動しないことによって失われるものの方が大きい。
許容可能な損失に基づいた行動は成功に結び付きやすい
1 ) 小さくても行動を起こすことで初めて得られる成功や失敗の経験が、起業家にとって重要な学習機会となる。
2 ) 手持ちの手段(資源)の創造的な活用を促し、無駄を減らすことができる。
3 ) 利益以外の基準で、本当に自分にとって重要な取り組みを選択することを可能にする。
第4章 レモネードの原則
不確実性の削減を重視するコーゼーション
コーゼーションの発想では、基本的方針として「追加的な情報を収集・分析し、不確実性を削減させる。」不確実性はギャップとされ、埋めることで不確実性に対処する。
偶発性の活用を重視するエフェクチュエーション
エフェクチュエーションの発想では、不確実性の高さを認識したうえで、分析や予測によっては十分に削減できないものがあることを認識する。
むしろ起こってしまった事態を前向きにテコとして活用しようとする傾向がある。こうした思考様式を「レモネード(lemonade)の原則」と呼ぶ。必ずしも望ましくない予期せぬ事態が起こった場合、新たな行動のための資源として積極的に活用し、新しい価値あるものやより望ましい成果を生み出そうとする。
3種類の不確実性
[ 3種類の赤白ボールが入っている壺から引き当てる例 ]
第一の壺:赤白のボールの数がわかっており、成功確率が明白な場合。
現実のビジネスでは通常あり得ない。
第二の壺:ボールの数は不明だが、何度か試し引きができ、成功確率が予想できる場合。
コーゼーションに基づくアプローチ。
第三の壺:試し引きしても、想定しない色のボールしか出てこない場合。
真の不確実性:勝手にルール変更したり、他の人の目を盗んで、赤いボールを追加したりする。
現実に起業家が経験する予期せぬ事態には、偶然の人との出会いや、情報の獲得、期待とは異なる結果を含むさまざまな出来事の発生などいくつもの種類がある。
偶然がきっかけとなって生み出された科学的発見
ペニシリンの発見
ブドウ球菌を培養していたシャーレを放置している間に、そこに別の細菌が入り込んで青カビが生えてしまった。しかし、発生した青カビの周囲で抗菌作用を確認。ノーベル生理学・医学賞の授賞に至った。
ポストイット
強力な接着剤の開発中に、よく着く反面、簡単に剥がれてしまう失敗作が作られた。「他に何か使い道はないか」と考えた。しおりが落ちたことをきっかけに具体的な使用用途を着想した。
偶然を活用する4つのステップ
1 ) 予期せぬ事態に気づく
もし、あなたが「自分にはこうした幸運な偶然が訪れない」と感じているなら、好ましくないものとして無視したり、重要でないと感じて見落としたりしている可能性がある。
2 ) 同じ現実に対する見方を変える(リフレーミング)
見方の転換は、新たな方向性を生み出す機会と捉え、「リフレーミング」と呼ぶ。自身の認知や活動の枠組み(フレーム)が変わり、受け止めや反応の仕方が新しいものに変わる。
3 ) 予期せぬ事態をきっかけに「手持ちの手段(資源)」を拡張する
手持ちの手段(資源)に新たな要素を付け加える機会であると考える。
4 ) 新たに「何ができるか」を発想する
手持ちの手段(資源)が拡張的に変化したならば、エフェクチュエーションのサイクルに従い、「何ができるか」をもう一度問い、新たな行動につなげる。
危機的な環境変化も手持ちの手段を拡張する機会と捉える
危機的な状況に直面した場合でさえ、それを単なる不幸な出来事と捉えるのか、自分たちを高める学習機会と捉えるのかによって、その後の行動や成果もまったく異なるものになる。
第5章 クレージーキルトの原則
「クレージーキルト」とは、ランダムな形の布切れをつなぎ合わせてユニークなデザインが作られるものを指し、最初には誰も想像しなかった素晴らしいデザインがしばしば生み出される。
パートナーシップの重視
熟達した起業家の意思決定には、コミットメントを提供できるあらゆるステークホルダーと交渉して、パートナーシップを構築する傾向が見られる。
誰が競合になるかは、事後的にしかわかりようがないと考え、むしろ交渉可能な人たちとは積極的なパートナーシップを求めようとする。こうしたエフェクチュエーションを構成する思考様式は「クレイジーキルト(crazy quilt)の原則」と呼ばれる。
自発的な参加者を重視する
1 ) 報酬や強制によって参加するのではなく、パートナーが自ら進んでコミットメントを提供する関係性が大切と考える。
2 ) パートナーは実際には多様なコミットメントを提供しうる。パートナーが出資者になったり、別の顧客を紹介してくれたり、といった別の重要な役割を担うこともある。
起業家の手持ちの資源やアイデアの価値は、その時にどのようなパートナーと出会い、そうしたパートナーが起業家の資源やアイデアにどのような価値を投影するかによって、まったく違った、より大きな価値へと繰り返し変換される可能性に開かれている。
そのプロセスは偶発性を伴うために、因果論的な目的手段関係では説明できない。
先へ進むための行動を始めて新しい人々と出会い、相互作用を生み出すことが極めて重要。
第6章 パートナー獲得のための行動:問いかけ(asking)
パートナーに対する2つのアプローチ
コーゼーションの発想:「売り込み(selling)」が重視。
エフェクチュエーションの発想:「問いかけ(asking)」が重視。
コーゼーションに基づく「売り込み(selling)」
コーゼーションの場合には、それがいかに優れているかを積極的に説明することで事業アイデアやビジョンを売り込むこと(selling)が重視されがち。
コミットメントを獲得しようとする行動の結果は、成功か失敗のいずれかであり、基本的には一人のパートナー候補に対して一回きりの交渉が想定されている。
エフェクチュエーションに基づく「問いかけ(asking)」
エフェクチュエーションの場合には、相手とともに未来を創っていくことができるか、をオープンに問いかける(asking)ことが重視される。もし、期待した資源が得られなかったとしても、必ずしも失敗とは考えない。別のコミットメントを獲得できるなら、パートナーシップの構築と見なすことができるためだ。
多様な形の望ましいパートナーシップを構築するためには、起業家が自らのアイデアを積極的に説明すること以上に、相手の話をより多く聞くことが極めて重要になる。
相手が経済的な見返りを求めているとは限らない
協力してくれる相手が、必ずしも直接的なリターンや経済的な見返りを期待していると限らない場合も多い。起業家一人では実現できないような価値ある未来を自分が参画することで現実にできると考えるとき、コミットメントが許容可能な損失の範囲にとどまるのであれば、見返りがなくとも協力をする理由は十分にある。
社会心理学の実験結果からは、私たちが見知らぬ人に対して何かを頼むとき、他人が直接の助けの要求に応じる可能性を過小評価する傾向があることが明らかにされている。
難なくできる行動であれば、助けに応じる側がそれによって満足や自尊心の向上といった心理学的なメリットを得られやすいためと指摘されている。
不確実性への対応に熟達するうえで最重要の活動こそが「the Ask」つまり「問いかけ(asking)」である。
資源獲得の成功/失敗に焦点を合わせる売り込み(selling)とは異なり、問いかけ(asking)によって他者の多様なコミットメントを獲得できれば、事前の予測が不可能な状況でも、取り組みの実効性をパートナーとともに高めて実際に優れた起業家的成果に結び付けられる。
相手が求めるものや一緒に取り組めることをオープンに模索するようなアプローチ、すなわち共創的な関係を構築する問いかけ(co-creative ask)へと変化する。
第7章 飛行機のパイロットの原則
熟達した起業家の世界観
「飛行機のパイロット(pilot-in-the-plane)の原則」とは、「コントロール可能な活動に集中し、予測ではなくコントロールによって望ましい成果に帰結させる」という思考様式。
コーゼーションが「不確実な未来のなかで、予測可能なものは何か」に焦点を合わせるのに対して、エフェクチュエーションは、「予測できない未来のなかで、コントロール可能なものは何か」に焦点を合わせる。未来の環境の一部を創造する行動に集中し、望ましい結果に帰結させようと努力する。
自らを取り巻く半径2メートルの世界を変える
熟達した起業家は、世界に対して無力感を感じたり、能動性を失ったりすることはないように思える。
コントロール可能な範囲で新たな行動を生み出すと、それは起業家が直接・間接に相互作用を行う人々、例えば周囲2メートルにいるような局所的な他者に対して影響を与える。
コーゼーションとエフェクチュエーションの使い分け
コーゼーションとエフェクチュエーションは、どちらか一方があらゆる状況で有効であるわけではなく、両方を状況に応じて使い分けるべき。
その企業が生き残り、成長するにつれて、特にその企業が創出した新たな市場をさらに活用し、長期での競争優位を構築するためには、その企業のマネジメントはよりコーゼーションに基づくものになっていく必要がある。
事業が成功した結果、その企業が生み出した新たな市場が安定する段階になると、市場分析と予測的な情報に基づいた計画的な経営が可能になる。長期にわたって存続する企業では、エフェクチュエーションが優勢なモードからコーゼーションが優勢なモードへ、変化していくことが考えられる。しかし、その後、コーゼーション偏重で存続できるとは限らない。その企業が生み出した新しい市場が成熟する段階になると、他社が開発した革新的新製品が登場するなどして、環境における不確実性が再び高まる可能性があるためだ。
コーゼーション的推論とエフェクチュエーション的推論は、常に逆方向に作用するわけではなく、むしろ両者は補完的に機能する。
第8章 エフェクチュエーションの実践から
・自分の中にある「手中の鳥」を信じて、焦らず、さまざまな人と関わり合うエフェクチュエーションのサイクルを回すことを勧める。
・「私は誰か」を話すとき、「私はマイクロソフトの社員でした」と言うより、「私はパエリアを作ることができます」と自己紹介した方が、相手は好意的になってくれて、すぐに仲良くなる。
・「手中の鳥」の資源の再獲得においては、自分が意図した「巻き込み力」のサイクルだけでなく、「巻き込まれ力」も意識することを勧める。
・おねだり:「クレージーキルト」におけるパートナー獲得のための行動である「問いかけ(asking)」である。「おねだり」をされる側にも「おねだりをする人に必要とされたい」という心情がある。
・自分が気づかない価値を、想定しない人が教えてくれることがある。
・関心軸:エフェクチュエーションの根源に存在するもの。ある契機によって生まれる関心は、価値を生み出し行動を起こす起爆剤のようなもの。
・起爆剤となる関心には、「ポジティブな関心」と「ネガティブな関心」がある。
・エフェクチュエーション採用:欲しい人材のポジションがあったわけではなく、その人を見て将来に期待しての採用。
・許容可能な損失を、どの責任者・権限で意思決定するのかを見定めることは重要。
・この行動をその企業のビジョンを実現する手段の一つとして解釈できないか、と考える。
吉田満梨(よしだ・まり)
神戸大学大学院経営学研究科准教授。
神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(商学博士)、首都大学東京(現東京都立大学)都市教養学部経営学系助教、立命館大学経営学部准教授を経て、2021年より現職。
2023年より、京都大学経営管理大学院「哲学的企業家研究寄附講座」客員准教授を兼任。 専門はマーケティング論で、特に新市場の形成プロセスの分析に関心を持つ。
主要著書に、『ビジネス三國志』(共著、プレジデント社)、『マーケティング・リフレーミング』(共著、有斐閣)など、共訳書に『エフェクチュエーション:市場創造の実効理論』(碩学舎)など。
中村龍太(なかむら・りゅうた)
1964年広島県生まれ。日本大学生産工学部卒業後、1986年に日本電気入社。
1997年マイクロソフトに転職し、いくつもの新規事業の立ち上げに従事。
2013 年、サイボウズとダンクソフトに同時に転職、複業を開始。
さらに、2015 年には NKアグリの提携社員として就農。
現在は、コラボワークス代表、サイボウズ執行役員、自営農業のポートフォリオワーカー。
2016年「働き方改革に関する総理と現場との意見交換会」で副業の実態を説明した複業のエバンジェリストとして活躍中。
著書に、『出世しなくても、幸せに働けます。』(PHP研究所)、『多様な自分を生きる働き方』(エッセンシャル出版社)がある。