序章
なぜ毎日がこんなに忙しいのか
① 多忙中毒:忙しいのを良しとする考え方。
② 無限の泉:スマホのアプリなどコンテンツがたえず補充されるもの。
「多忙中毒」「無限の泉」の2つの要因がなぜ強力かといえば、それらが生活の”デフォルト”になっているからだ。
多忙中毒のデフォルト
目の前のものごとに反応せよ。今すぐ対応せよ。予定を埋め、効率を高め、もっと仕事をこなせ。
無限の泉のデフォルト
たえまなく気を散らそうとする。依存性もある。平均的な人はスマホを1日に4時間利用し、テレビ視聴にもう4時間費やしている。
意思や生産性を上げても意味がない
メイクタイム
何に集中したいかを決め、それを実行するためのエネルギーを蓄え、デフォルトの悪循環を断つことによって、自分の生き方に意識的に向き合う枠組み。
スプリント
毎日、たった1つの問題に集中して取り組む手法。
- 毎朝、最優先目標を決めると「魔法」が起きる。
- 「デバイス禁止」で仕事の質が変わる。
- 集中には「エネルギー」が必要。
- 実験すればするほど時間が生まれる。
メイクタイムの仕組み
1) ハイライト
毎日、その日の優先事項としてスケジュールを確保する活動(ハイライト)を1つ決める。
2) レーザー
「気を散らすもの」をとっぱらう。
3) チャージ
体を使って「脳を充電」する。そのエネルギーは体をケアすることで生まれる。 運動や食事、睡眠、静寂、親密な時間などでバッテリーを充電する。
4) チューニング
システムを調整、改善する。寝る前にメモをとる。
ハイライト
ハイライトの選び方
1) 緊急性
今日中に絶対終わらせなくてはならないことがあるなら、それをハイライトにする。
2) 満足感
やり遂げたとき、どんな満足が得られるか想像する。
3) 喜び
喜びをくれるハイライトは、他人には時間の無駄と思われるようなことかもしれない。
ハイライト戦術
- 昨日と同じハイライトを設定する。昨日、できなかったことに再チャレンジする。
- ハイライトを予定表に書き込む。時間を決めないと仕事にならない。
- 毎日、自分のための時間を確保する。
- 正直にドタキャンする。断れる予定がないか考えよう。
- 毎日の1時間1時間をデザインして、しっかりした、わかりやすいスケジュールを立てる。
- 朝型人間になる。「明かり」「コーヒー」「用事」を使う。夜を調節しないと早起きは難しい。
レーザー
人に「本能」がある限り、無限の泉には勝てない。
気を散らさないようにするには、すぐに反応できないようにするのが一番良い。スマホから無限の泉アプリをとっぱらう。
人は、一度作業を中断すると、再度集中して作業できるまでに平均23分15秒かかる。
レーザー戦術
- SNSアプリを使い終えたら、毎回ログアウトする。
- ログインパスワードを保存状態にしないで、毎回入力が必要な設定にする。
- デバイスをすぐには手の届かない棚の上に置いてしまう。
- 朝のウェブニュースチェックをやめる。ニュースは、毎日見る必要はない。
- メールチェックの回数を減らす。3回/日までとする。すぐに返信する必要なし。
- 自分で締め切りをつくる。
- ふとした疑問を紙に書き留めることを習慣化する。
- 疲れ果てていても、がむしゃらに「集中」してみる。本気になれる機会を探す。
チャージ
体をケアしなければ脳は働かない。
世の中の変化のスピードに心身の進化が追いついていない。
古代人式「エネルギー・チャージ」6つの原則
1) 動き続ける
脳と体は、動いている時が一番効率よく機能する。たった20〜30分運動するだけで、脳が良く働き、ストレスが減り、睡眠の質も良くなる。
2) リアルフードを食べる
今の世の中は人工食品や加工食品にあふれている。
3) カフェインをうまく使う
エネルギーレベルを改善するのに利用しやすい。
4) 喧騒を離れる
デジタル画面なしの休息をとる。
5) 親密な時間を過ごす
自分のバッテリーを充電してくれる人を探し、直接会う。
6) 洞窟で眠る
睡眠は、量より質が大切。
チャージ戦術
- 毎日運動する。(でも頑張りすぎない。)
- 歩きまわる。
- 面倒くさいことをする。(夕飯を作る・階段を使う等)
- 野菜や果物、ナッツ、魚、肉などの加工されていない本物の食品を食べる。
- カフェインをうまく使う。疲れる前にコーヒーを飲む。
- 気軽に瞑想する。
- 仲間と過ごす。良好な人間関係を保っている人ほど、長く健康で充実した人生を送れる。
- 画面なしで食事をする。
- 寝室を「寝る部屋」にする。スマホ持ち込み禁とする。
- すきあらば仮眠する。仮眠は午後の仕事の効率と認知能力を高める。
- 自分の酸素マスクを先に付ける。小まめに休息をとり、心の健康を保とう。
チューニング
「観察」→「推測」→「実験」→「測定」→ 仮説が正しいかどうか判定する。
あなたの体で試せるのは、あなたしかいない。
結果を記録するために「メモ」をとり、自分なりの戦術を見つけ、自分に合わせてシステムを調節する。
大転換は必要ない。小さな変化が大きな成果を生むから。
ジェイク・ナップ
著術家、IDEO客員研究員。グーグルで、あらゆる仕事を最速化する仕事術「スプリント(デザインスプリント)」を生み出し、Gmailの改良に生かすなど大きく貢献。その後GV(旧グーグル・ベンチャーズ)のデザインパートナーとして、スプリントをスラックやウーバー、23andMeなどで150回以上にわたり実行し、プロダクト構築を助ける。2017年より現職。現在もレゴ、ニューヨーク・タイムズなどにスプリントをコーチングしている。スプリントは世界中に広まり、国連や大英博物館を含む多くの企業や組織が事業戦略として活用している。著書に世界的ベストセラー『SPRINT 最速仕事術』(ジョン・ゼラツキー、ブレイデン・コウィッツと共著、ダイヤモンド社)がある。