画一的集団の「死角」
9.11
阻止できなかったのは、「CIA史上最大の失態」と言われている。
モロッコ系フランス人、フィリピン警察、ロシア情報機関、エジプト政府から警告
CIA
最高の人材 白人・男性・アングロサクソン系・プロテスタント・・・同類性選好
過剰な自信で重大な過ちを見過ごし、そのまま判断を下してしまう。
オサマ・ビンラディン
顎髭の長いひょろっとしたサウジアラビア人、洞窟、詩・・・偏見
フィルターを通して見る世界
2匹の魚が泳いでいると、年上の魚がやってきて「今日の水はどうだい?」 「水ってなに?」
普段の無意識な行動の中に、自分がどんなフィルターを通して世界を見ているか?
・カールスコーガ(スウェーデン北部)の除雪作業
今まで、主要道路→歩行者道路や自転車道の順
女性の議会参加後、歩行者の負傷はドライバーの3倍以上 経済的損失は2倍とわかった。→歩行者道路を優先
・イングランドサッカー代表 技術諮問委員会
ラグビー代表コーチ、IT起業家、教育専門家、プロ自転車マネジャー、陸軍士官学校士官
多様性豊かな集団が画一的な考え方になってしまうことがある。
主流派に引っ張られ、組織に「認められた考え方」に合わない声はかき消されていく。
エベレスト大量遭難事件
リーダーは、ロブ・ホール:極めて優秀な登山家。集団の秩序は、メンバーの序列・ヒエラルキーによって決まる。(航空事故・医療事故)
支配型ヒエラルキーではなく、尊敬型のリーダーは、共感力が高く、進んで情報を共有する。
「心理的安全性」が高まり、集合知の形成に拍車がかかる。
不確かな状況下では、ある種の支配的なリーダーを支持して、秩序を取り戻そうとする。
価値ある情報は正解という一点に向かっているが、誤った情報はそれぞれが違った方向を示している。
情報は蓄積するが、一方、誤った情報は互いを相殺し合う。
今日の人工知能 単独のアルゴリズム → 複数のアルゴリズムの組み合わせ
イノベーションと多様性の関係
漸進的イノベーション
段階的にアイデアを深めていく。
融合のイノベーション:
異分野のアイデアを融合する。
移民が起業家になる確率は2倍高い。ノーベル賞の半数はアメリカ国外で生まれている。
イノベーションは同時期に数々起こる。競争相手が知的コミュニティの場で交差し合うため。
エコーチェンバー現象
同意見の者同士で議論を繰り返し、特定の信念が強化される現象。
自分と反対の意見を見た時、以前にも増して自分の意見を極端に信じるようになる。
異なる意見を唱える人を徹底的に攻撃・誹謗する。インターネットでは、検索サイトのアルゴリズム。
有意義な話し合いをするには、まず、お互いの信頼の構築が欠かせない。
平均値・標準の落とし穴
ダイエット、学校教育 個々人のさまざまなデーター解析が必要。
仕事や私生活に多様性を取り込むためには
- 無意識のバイアスの除去
- 特別チーム
- 与える姿勢(意見を共有する姿勢)
マシュー・サイド
1970年生まれ。英『タイムズ』紙の第一級コラムニスト、ライター。オックスフォード大学哲学政治経済学部(PPE)を首席で卒業後、卓球選手として活躍し10年近くイングランド1位の座を守った。英国放送協会(BBC)『ニュースナイト』のほか、CNNインターナショナルやBBCワールドサービスでリポーターやコメンテーターなども務める。