LIFE SHIFT 〜100年時代の人生戦略〜

日本

100歳以上
現在     6万1000人以上
2050年まで  100万人を突破 見込み
2007年に生まれた子供の半分は107歳まで生きる予想
 今20歳の人 100歳以上
 今60歳の人  90歳以上 生きる可能性
 ただし、ピリオド平均年齢・コホート平均年齢は違う。
数百年の寿命を手にするために
〜 グーグルの人工知能研究チーム 〜
(グーグル・キャリコ 設立時の投資7億ドル)
1 ) 医学的なアドバイスに従う、好ましい生活習慣の実践
2 ) バイオテクノロジーによる医療革命
3 ) ナノテクノロジー・AIにより老いた体を分子レベルで修復

長寿化時代

人生の新たなステージがいくつも出現マルチステージの人生

古い 3.0 ステージ

「教育」 → 「仕事」 →「 引退」

今後現れるステージ

年齢と関係がなくなっていく。

→世代を超えた交流

→年長者が若々しさを保ちやすくなる。

エクスプローラー(探検者)

幅広い進路を検討する。

インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)

小さなビジネスを起こす。

ポートフォリオ・ワーカー

関連あるさまざまな仕事・活動に同時並行で携わる。

みんなと同じ行動を取るだけでうまくいく時代は終わった。

投資が必要

レクリエーションからリ・クリエイションへ

  • 新しい役割に合わせて自分を変えるための投資(道徳的な投資を含む)
  • ライフスタイルを築くための投資(金銭的な投資を含む)
  • スキルを身につけるための投資

不健康期間の短縮

この予測の研究者が増えている。

公衆衛生、啓蒙キャンペーン、生活習慣病の改善

認知症(老化がもたらす最大のリスク)
 →2033年:iPS 細胞により克服?

3世代のシナリオ

3.0シナリオ

我々の親世代 1945年生まれ 70歳 没

「教育」 → 「仕事」 →「 引退」

3.5シナリオ、4.0シナリオ

我々世代 1971年生まれ 平均寿命 85歳

「教育」 → 「本職/副職」 →「 引退」
「教育」 → 「仕事1」→「仕事2」 →「 引退」

4.0シナリオ、5.0シナリオ

我々の子世代 1998年生まれ
 100年以上生きる可能性が高い。リスクはついて回る。

「教育」 → 「仕事1」→「仕事2」 →「 引退」
「教育」 → 「仕事1」→「仕事2」 →「 引退」→「仕事3」など様々

マルチステージの人生

  • 新しいスキルの習得に投資し、人生の途中で時間を割く。
  • 新しいテクノロジーを受け入れる。
  • 年齢の制約と無関係 若々しく生きる期間が長くなる(若々しさ)

雇用環境の変化

未来を予測することは難しい  多くの 不確実性に直面

新しいテクノロジー

新しい産業、新しい企業

高齢者の需要

医療と高齢者向けサービス

環境・食料・地球温暖化

 → 巨大ビジネス

エコシステム

仕事と私生活をブレンドする生き方

スマートシティ

高スキルの人材が集まる。シリコンバレー、インドのバンガロールなど

 働いている産業や企業が激変に見舞われて、必然的に生涯に何度も職場を変える可能性。柔軟性を持って、将来に方向転換と再投資を行う覚悟が必要。

仕事の未来

ロボットAIによる代替がどこまで進むか

人間にしかできないこと

  1. 複雑な問題解決に関わる能力
    専門知識、帰納的推論の能力、コミュニケーションスキル
  2. 対人関係と状況適応の能力

無形の資産

強力な人間関係

 人生に満足している人に共通する際立った要素の1つは、生涯を通して深くて強力な人間関係を築いていること ハーバード大学「グラント研究」

見えない資産

お金に換算できないもの

生産性資産

スキル、知識、アイデア・創造性(機械に代替されにくい)

  • 教育の投資利益率が落ち込み、高学歴化の進行が止まる可能性
  • 生涯を通して新しいスキルと専門技術を獲得し続ける。
  • 経験学習:実際の活動を通じて行う学習 → 問題解決能力の取得
  • ブランド・評判性

活力資産

健康と幸福

  • 脳機能の低下を避けるには、「体を動かすべき」
  • ストレス:心臓病リスクを20%上昇

変身資産

  • 多様性に富んだ人的ネットワーク(個人より広い知識を得られる)
  • 新しい経験に対して開かれた姿勢(未知の活動)
  • 自分についての知識・受け身の体験ではない
  • 友人関係:自己再生をもたらすうえで大きな役割

必要な資金を得るには

長期の資金計画

 引退者への調査:70%の人は「もっとお金を貯めておけばよかった」と後悔。

 適切な資金計画を立てるには、自ら取り組む、という認識が重要。

 引退生活に必要な資金:最終所得の50% (住む家を所有している場合)

金融リテラシー

 お金に関する知識・判断力) 本腰を入れて学ぶべき

  • 株式への投資(長期投資)が少なすぎる。
    ピケティ「21世紀の資本」 投資で得られる利益 > 労働による蓄財
  • 現在バイアス:貯蓄よりその場の消費を選んでしまう。
  • 一定額を普通預金から定期預金へ
  • 国による貯蓄の奨励、金融商品の活用(NISA、iDeCo等)
著者

グラットン,リンダ
ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威。リバプール大学にて心理学の博士号を取得。ブリティッシュ・エアウェイズのチーフ・サイコロジスト、PAコンサルティンググループのダイレクターなどを経て現職。組織のイノベーションを促進する「Hot Spots Movement」の創始者であり、85を超える企業と500人のエグゼクティブが参加する「働き方の未来コンソーシアム」を率いる

スコット,アンドリュー
ロンドン・ビジネススクール経済学教授、前副学長。オックスフォード大学を構成するオール・ソウルズカレッジのフェローであり、かつ欧州の主要な研究機関であるCEPR(Centre for Economic Policy Research)のフェローも務める。2005年より、モーリシャス大統領の経済アドバイザー。財務政策、債務マネジメント、金融政策、資産市場とリスクシェアリング、開放経済、動学モデルなど、マクロ経済に主要な関心を持つ

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